日本対ポーランドがいかに正しかったか。
前日の日本対ポーランド戦。
最後20分間を攻めずに終えたこと、そしてスタメンを6人変えたことでかなりの批判が殺到している。
ただはっきりと言わせてもらう。
あの戦いを批判する人は論理的思考ができない無能のバカ。
自分が楽しめるかどうかしか考えてないし、そもそも日本を応援しようと思っていない。
しかも自分が楽しめるという観点から見ても、あの戦いかたの方が総合的に楽しめることも理解していない大バカ。
その理由を書いていこう。
サッカーにおけるフェアプレーの定義
負けてもいいから最後まで攻めてほしかったな…
— teto (@PurpleH12292486) 2018年6月28日
その意見には賛同だけど、点を取りにいくプレーを見たかった人にとっては後味の悪い試合だったと思うよ。負けてもいいから最後まで攻めて欲しかったって人の意見もあるってこと。
— えくず@ (@mhrmusk) 2018年6月30日
いや、凄いな。どれだけ選手の気持ちを考えてないんだ。
選手の優先度は、1試合に勝つことよりも、1点取ることよりも、点を取られないことよりも、最優先事項がGLを突破することだ。
目標が決まっている以上、優先事項が決まる。
そうなった場合にどう行動するべきなのは逆算すると答えは出てくる。
「負けてもいいから。」そんなことが言えるのは当事者以外の全く関係ない人間だけだ。
なぜ選手がW杯だけ見るような浅い人たちの気持ちまで考慮していなければいけないのか?選手は何よりもGL突破という目標を最優先で考えるべきだろう。
そんなことを言うとこんな意見もあると思う。
フェアプレーと真逆のことをしてフェアプレー制度で突破して嬉しいの?
フェアプレーってのはルールで制御されるものだ。
ファウル、イエローカード、レッドカード。サッカーにおけるフェアプレーではないとされるのは上記で定義されるものだ。
つまり、フェアプレーと真逆のことと言う論点の時点で大間違い。
あれはれっきとしたフェアプレー。あの行為にファウルもカードも出ていない時点でフェアプレーであることは間違いない。
フェアプレーと真逆のことと言っているやつは、お前の基準で勝手にフェアプレーを決めるな。
サッカーでは明確にフェアプレーが定義されている。
それをシカトして持論を展開するなんて、お前は一体なんのスポーツを見てるんだ?
もし、フェアプレーじゃないと言いたいのであれば、日本代表の試合ではなく、サッカーのルールに文句を言うべきだろう。
もしセネガルが1点入れて引き分けになっていたら?
他力本願ではないか?
あの決断は面白いとか面白くないとかそういうレベルの類ではない。もしセネガルがあの10分ぐらいで追いついたら西野監督がどういうことになったか想像すれば、時間稼ぎが良い悪いの問題ではないことが分かる。まさにカイジの世界だった。
— 河治良幸 (@y_kawaji) 2018年6月29日
この批判に関してはわからなくはないです。
ただ、これも人の気持ちを考えられないバカです。
なぜ、セネガルがあのまま終わると踏んだのか?
後味のよくない試合だったかもしれないし、サカオタの友達も「結果的には決勝Tに行けたけど‥セネガルが得点したらどうすんねんって複雑な思いで観てたよ」と言ってたけど、フェアとは程遠いところにある競技をずっと観てきた身としてはそんなにモヤモヤしないわ。
— みさ☆ (@jungpana88) 2018年6月29日
フェアという概念については上記の通り。
その上でセネガルが得点したらというのは当たり前ですが西野監督も意識していたはずです。ではなぜ攻めなかったのか?その答えは確率論にあります。
西野監督は、
日本が攻めて引き分けに持ち込める確率と
コロンビアが引き分けに持ち込まれる確率を考えたときに、
日本が点を取るよりも、コロンビアが守りきる確率が高いと判断した。
理由はこれだけです。他力本願というよりも、自分たちの実力を明確に判断した上で、
より合理的な答えを出した。という話。
ここと意見が違う人もいるでしょうが、GL突破が目標という上では考え方の違いだけです。
日本が攻めて点を取る確率の方が高い!と考える人もいると思いますが、
それは現場で監督をやっている人以上の判断をできる人なんかいるはずがありませんよね。
意見としていうのはアリですが、それを批判するのはお門違い。
ショービジネスとしてどうなのか?
日本の作戦が悪いというよりは、依存関係のある試合を並行して進めるゲームデザインがショービジネスとして良くないのではと思いました
— ウラコン1ごう (@blankblank) 2018年6月28日
かっこいい言葉を使いたいみたいだけど、本質と大きくずれてますね。
サッカーはショービジネスか?W杯はショービジネスか?
その言葉はもちろんイエスである。
ただ、ショービジネスとして捉えているのは、運営側、そして観戦者側のみです。
つまり、選手、そして監督、チームスタッフはショービジネスなどとは捉えていないと言うことです。
詳しく解説すると、
選手や監督、日本が戦うのは勝つため。これだけです。
真剣勝負として戦っているだけです。そして真剣に戦っている姿を観客側が楽しむ。
それがショーとして成り立つ。これはほぼ全てのスポーツに共通することです。
選手は観客を楽しませるためにプレーはしていませんし、監督も観客を楽しませるために采配はふるってません。
例えば負けている試合で、観客を楽しませようと不要な派手なプレーをした選手がいたとして、結果はそのまま負け。ただ、その選手だけはずっと観客を楽しませようと派手なプレーをし続けたとします。
あなたはこれをどう思いますか?
派手じゃなくても勝つためのプレーをしろ!!
ほとんどの人はそう思うでしょう。
もちろん派手で見栄えがする上に勝つためのプレーなら素晴らしいですが、そんなことができるのは世界でもTOP10に入るスーパースターだけです。
そしてそういった選手でも、度が過ぎればスタメンを外されることだってあります。
このことからも、選手は観客を楽しませたいと思っていても、それはチームとしては許されず、チームは勝つことだけを考えていることが分かると思います。
もし、ショービジネスとして問題があるとしたら、変えるべきはルールです。
つまり今回の10分近く攻めない試合というのは、なんの問題もなく、それを批判するとしたら日本代表ではなく、サッカーのルールを批判するべきなのです。
楽しさの総数
勝てば官軍言うし勝つのが前提なのは間違いないやろ
— Ray☆N (@a__s_r) 2018年6月28日
ただそれにつまらなかったって言っちゃダメってのは意味がわからない
実際つまらない試合してたやん
つまらないって言われることやブーイング食らうことを覚悟してでも勝ちたかったんならそれでええやん
俺はつまらないと思ったから言うぞ
これは何にも間違っていないですね。
ただ、よく考えてほしい。
例えば日本代表が全力で試合をすることの楽しさを10としたら、
残り10分まで全力で戦ってた以上、かなり低く見てもポーランド戦の楽しさ数値は5は取れるはずです。
ただ、万が一GLに進出してなければ、ポーランド戦を全力で戦っても楽しさの点数は前2試合を合わせて30で終わりです。
ただ、ポーランド戦で5楽しめたのだとすると、
次の試合は当然全力でやるでしょうから、楽しさの総数は35になります。
どちらがいいかと言ったら、普通なら当然35楽しいを取るはずですよね。
スタメンを大幅に変えたことについて
しかし、スタメン6人替えて機能不全を起こした挙げ句、チーム編成の問題まで露にしちゃった監督なのに西野が名将扱いなのか。さすがにそれは結果で評価ひっくり返しすぎというか、そもそも人を評価する基準すら持っていなかったってことになるけど。
— MSF-M.Montpetit 00 (@masisky) 2018年6月29日
10分パス回しに徹したことはOKでもこれはNGという理屈は割と多い。
でもこれこそ西野監督の合理性を象徴する判断だったと言える。
これを考えるにあたり、日本代表の目標を知る必要があるのだが、もちろん優勝を本気で狙ってはいないだろう。それにはあまりに実力が遠すぎる。
ただ、ポーランド戦で主力を休ませたことからも、GL突破すればOKという目標でもないと思う。現実的に西野監督の頭にあるのは【ベスト8】ここだと思う。
もしここを当初から目標としていた場合、ベスト16の戦いで勝たないといけない。
そしてベスト16はどうにしろ強豪との戦いだ。主力を万全の状態で出したい。
もし、GL突破が目標のゴールであれば、ポーランド戦も当然1、2戦と同じスタメンで言っただろう。だが、ベスト8を目指すとなれば、主力を休ませないと、ベスト8の確率がかなり下がる。
つまりこれも確率論である。
サブ組をスタメンにしてもGL突破はできる確率が高いと踏んで、その上でベスト16で最も可能性の高い選択をしただけ。
むしろベスト8を目標とすると、最善の選択だったと思う。
ベルギー戦で今回のが正しかったかわかる
あんまサッカーに興味がない俺と
— ロキさん~6/17笑顔で~ (@kanzei_DeNA) 2018年7月1日
昔サッカーやってたおやっさんとポーランド戦のボール回しの話しになったけど・・・やっぱり立場で見解も違うね~(^^)
とにかくベルギー戦勝って、あの戦術が正しかったと証明して欲しいな!
もうね。バカかと。
ベルギー戦の結果と今回の試合は全く関係がない。
ポーランド戦の戦いかたは、最もベスト16で勝つ確率を上げる方法だったというだけ。
その確率もベルギーという相手から見て、5%だった勝率が多く見ても10%ぐらい上がったという話である。
ただ、今の日本とベルギーの実力差から考えても、これが最大限できる確率である。
この確率を作り出すための選択がここまでの戦いであって、
ベルギー戦の結果はポーランド戦の戦略と全く関係がない。
西野監督は勝負師なのか?
日本点取りにいけよとかもう応援しないとか嬉しくないとか言ってる人いるけどは?いつから日本そんな強豪になったの?決勝トーナメント進出で御の字でしょ。西野監督は最後の最後残り10分まで我慢してギリギリの判断をして賭けに勝ったって事だよ。勝負師西野マジリスペクト。
— 木曽信介 kiso bar 西麻布 (@KISOCHAN) 2018年6月28日
この勝負師という言葉をどういう意味で使っているのかはわからないが、もしギャンブラーという意味で使っているのであれば、僕は全く勝負師、ギャンブラーとは思いません。ここまでの説明の通り、西野監督の選択は、全てベスト8という目標から逆算した中で、最も確率の高い選択をしているだけです。
ギャンブラーどころか、めちゃくちゃロジカルじゃないですか?
ロジカルな戦術を持ってギャンブルを制するという意味ではギャンブラーですが、
実際は超論理で戦っているタイプだと思います。
さて、ここまで試合の翌日に書こうと思ったのですが、
なんだかんだ批判を一つずつ拾っていたら2日間かかって、かなり遅くなってしまいました。が、納得のいく理屈を作れたと思います。
いよいよ明日はベルギー戦。西野監督がどんな理屈で試合に望むのか楽しみです。
本日は以上。それでは。