エロ本とプライド
うちの父のエロに対する価値観はおかしい。
小学生の頃、両親の寝室の本棚にはロリ物のSMエロ漫画という普通なら見られたら人生終わりレベルの物が並んでいた。ロリ幼女の乳首にでかいピアスが付いてたのを覚えている。その頃は本気で親父頭おかしいと思っていた。
だが、とある事がきっかけでその意識が変わった。
中学時代、僕も人並み程度にエロに興味があり、エロ本をいくつか所有していた。
もちろん中学時代で実家暮らしだ。その頃は当然僕もエロ本は隠そうという当然の意識を持っていた。だが僕は兄貴と2人部屋で、隠せるスペースといえば勉強机とベッドぐらいだった。
しかもその頃は母親が部屋の掃除をしており、ベッドの下など定番の隠し場所はあまりにも危うかった。
そのため僕は考えに考え、勉強机の1番下の引き出しの裏に隠した。
だがエロに対する好奇心の塊だった中学時代。エロ本は日に日に増えていき、次第に入りきらなくなった。
どうしても既存のエロ本を捨てるという選択肢はできず、入りきらなかったエロ本はベッドとマットレスの間に隠した。
これが間違いだった。
すぐに母親が部屋の掃除をした時に見つかってしまったようだ。
「ようだ」と言うのは、実際に母親が見つけたところを見ていたわけではなく、隠しておいたはずのエロ本が机の上に堂々と置いてあったのだ。
うわーー!!と思った。
流石に油断したと。中学時代なんてみんなエロに興味津々でも、カッコつけたい世代であり、エロに興味なんてありませんと思われていたかったのだ。
母親は何も言わなかった。僕はその日は恥ずかしさに母親の顔が見れなかった。
ここまでは普通だ。大抵の人ならば一度は経験する事だろう。
問題はここからだ。
見つかったエロ本をどうするのか?
机の上に堂々と置かれたエロ本。これをどうするか。普通の人はもう一度隠すのだろう。
だが僕にはそれができなかった。
なぜならそれは母親に対する恥を認めたようなものだ。エロ本を恥ずかしいものだと思っている。「見つかってめちゃくちゃ恥ずかしいです」と言っているのと同じだからだ。(まぁもともと隠していたんだから恥ずかしいに決まっているんだが。)
だがそれ認めたくなかったのだ。
見つかって恥ずかしがっているけど平静を装っているということを絶対に母親に悟られたくなかったのだ。なぜならそれは母親に弱みを握られることであり、今後大人になってからも親戚一同の前で笑い話にされるだろう。今後のこの家庭で、僕が笑い者になるのが確定してしまうのだ。
それだけは避けなければいけない。
だがもうすでにエロ本は見つかってしまった。
「ジョニは昔エロ本をベットとマットレスの間に隠しててさ〜!おっかし〜!」みたいな。もうすでに母親の中ではこんな感じのエピソードが組み立てられているのだろう。
大人になってからもこんな話をされたらたまったもんじゃない。
考えに考えた僕は、
別に恥ずかしいことなど何もないけど?え?何かありましたか?
そういうスタンスを取ることにした。
僕がとった行動は、そのエロ本をあえて隠さないということだった。
兄と2人部屋の勉強机に、まだ小学生の妹も両親も入ってくる部屋の勉強机に、僕は堂々とエロ本を置きっぱなしにしたのだ。母親が置いたそのままに。
なぜならそうすることで、
僕にとってエロなんて当たり前のことで、別に恥ずかしいことでもなんでもない。という体を作ったのだ。
むしろ男たるものエロ本ぐらい机に堂々と置くし?みたいな体を作ったのだ。
それからしばらくは机で勉強をするときもエロ本を脇におき、漫画を読むにもエロ本が目の前にある状態だった。
1週間ほど経った後、エロ本は机の上から消えた。元のベッドとマットレスの間に隠されていた。
僕が隠したのではない。母親が元に戻したのだ。
勝った
僕のプライドが母親に勝ったのだ。
母親に負けたくない。そのプライドだけで、僕は自分の羞恥心に勝ち、母親に勝ったのだ。
だが話はここでは終わらない。
改めて隠され、そしてそのままそこに隠しておいては結局本末転倒。僕が恥を隠しているということになってしまう。
だから僕は、
エロ本を再度取り出し、自ら堂々と机の上に置いた。
それからは買うエロ本も全て漫画本を並べられた本棚に、平然と並べた。
完全勝利である。
そうして僕はエロを隠すものではなく、堂々と見せびらかすものにしたのだ。
こうして僕は父親と同じことをした。
と言ってもガチでエグいエロ本だけはしっかり隠していたので、ロリ物のSMエロ漫画を堂々と並べた父親の気持ちだけは理解できませんでした。
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余談だが、先日実家で親戚の集まりがあった際、母親は嬉々として
「昔ジョニはエロ本をベッドに隠していて、見つけて机に置いといたらそのまま置きっ放しにしてたの!見つかったのが悔しかったんだろうね〜!おっかし〜!」
と話していた。完全敗北である。